シンガポール転職の2大ルート徹底比較|あなたに合うのは現地採用?駐在?元エージェントが解説

「シンガポールで働きたい」と考え始めたものの、
「現地採用と駐在、よく聞くけど何が違うの?」
「自分はどっちを目指すべきなんだろう?」と、キャリアの岐路で悩んでいませんか?

アジアの経済ハブとして魅力的なシンガポールでのキャリアは、多くの可能性を秘めています。
しかし、その第一歩となる働き方の選択は、あなたの将来を大きく左右する重要な決断です。

この選択を曖昧なまま進めてしまうと、「想定外の生活費の高さに待遇への不満が残った」「望んでいたキャリアパスが描けず、数年後に帰国するしかなくなった」といった、取り返しのつかない後悔に繋がる可能性があります。

この記事では、数多くの日本人プロフェッショナルのシンガポール転職を支援してきた元人材エージェントの視点から、「現地採用」と「駐在」という2つのルートを、7つの重要な軸で徹底的に比較・解説します。

読み終える頃には、あなたが進むべき道が明確になり、シンガポール転職への具体的な第一歩を踏み出せるようになっていることをお約束します。

目次

まず結論!現地採用と駐在、あなたへのおすすめは一目でわかる比較表

時間がない方のために、まず結論から。現地採用と駐在員の最も大きな違いを一覧表にまとめました。自分がどちらのタイプか、ざっくりとイメージを掴んでみてください。

判断軸現地採用駐在員
給与・福利厚生実力主義・交渉次第手厚い傾向(家賃補助等)
キャリアの自由度高い(転職・起業も自由)低い(本社の方針次第)
専門性の追求しやすい(スペシャリスト志向)しにくい(ゼネラリスト志向)
ビザ取得難易度給与と学歴・職歴次第 (COMPASS)比較的有利な傾向
実現の難易度比較的低い(求人数多い)非常に高い(枠が少ない)
求められる役割即戦力・現場のエース日本本社との橋渡し役
滞在期間自由(永住権も視野に)辞令次第(3〜5年が一般的)
どちらが良い・悪い、ということではありません。「あなたの5年後のキャリアプランとライフプランに、どちらがフィットするか?」が全てです。この先の解説を読んで、ご自身の価値観と照らし合わせてみてくださいね。

そもそも何が違う?「現地採用」と「駐在」の基本的な定義

比較に入る前に、「そもそも、その二つって何が違うの?」という基本をサクッと解説します。

現地採用とは?

結論:シンガポールの現地法人と直接雇用契約を結ぶ働き方です。

文字通り、シンガポールにある会社(日系企業・外資系企業問わず)に、自分の意思で応募し、採用されるスタイルです。あなたはあくまで「シンガポールにある会社」の一社員という立場になり、給与や待遇も現地の基準で決まります。

駐在員とは?

結論:日本の本社に所属したまま、シンガポールの子会社や支社へ出向する働き方です。

こちらは、日本にある会社にまず就職し、その会社からの「業務命令」でシンガポールに派遣される形です。身分はあくまで「日本の会社の社員」のまま。給与や待遇は日本の基準に、家賃補助などの海外赴任手当が上乗せされるのが一般的です。

【7つの軸で徹底比較】メリット・デメリットから見る本質的な違い

ここからが本題です。7つの重要な軸で、両者のリアルな違いを深掘りしていきましょう。

①給与・福利厚生:「手厚さの駐在」vs「実力主義の現地採用」

結論:一般的に、金銭的な待遇面では駐在員に軍配が上がります。

駐在員は、日本の給与水準に加えて、家賃補助(これが大きい!)、子女教育手当、一時帰国費用、税金補填など、非常に手厚い福利厚生がパッケージになっています。生活の基盤が会社によって保証されるため、金銭的な心配は少ないでしょう。

一方、現地採用の給与は、あなたのスキルと経験、そして交渉次第。シンガポールは所得税が低い(最高24% ※2024年時点)ため、高い給与を勝ち取れれば手取りは多くなりますが、家賃などは全てその中から自分で支払う必要があります。

出典: Inland Revenue Authority of Singapore (IRAS)

②キャリアの自由度:「縛られる駐在」vs「青天井の現地採用」

結論:キャリアの主導権を自分で握りたいなら、現地採用が圧倒的に有利です。

現地採用は、シンガポール国内での転職が自由です。より良い条件の会社に移ったり、専門性を高めたり、将来的には起業や永주権(PR)取得を目指すなど、キャリアパスはまさに自分次第。シンガポールを拠点に、アジア全体でキャリアを築くことも可能です。

対して駐在員のキャリアは、日本本社の人事戦略の一部。シンガポールでの任期は通常3〜5年で、その後は日本への帰任か、別の国への異動が基本です。「もっとシンガポールで働きたい」と思っても、自分で決めることはできません。

私がエージェント時代に見てきた中でも、「駐在期間が終わるけど、シンガポールに残りたい」と相談に来られる方は非常に多かったです。その時になって現地採用に切り替えようとしても、待遇のギャップなどから苦労するケースも。長期的な視点を持つことが大切です。

③求められるスキルと役割:「ゼネラリストの駐在」vs「スペシャリストの現地採用」

結論:現地採用は「専門性」、駐在員は「調整力」がより重要視されます。

現地採用の求人で求められるのは、明確な専門スキルを持つ「即戦力」です。「あなたにしかできないこと」をアピールできなければ、採用を勝ち取るのは難しいでしょう。特にIT、金融、マーケティングなどの分野では、高い専門性が求められます。

駐在員は、日本本社と現地法人の「橋渡し役」としての役割が大きいです。現地のビジネスを理解しつつ、本社の意向を正確に伝え、プロジェクトを円滑に進めるマネジメント能力や調整力が不可欠。幅広い業務をこなすゼネラリスト的な動きが求められます。

④ビザ取得の難易度:COMPASSを理解する

結論:どちらの立場でもビザは必要ですが、駐在員の方がやや有利な傾向があります。

シンガポールで外国人が働くには、就労ビザ(EP: Employment Pass)の取得が必須です。2023年9月から、EP申請にはCOMPASSというポイント評価制度が導入され、個人の能力(学歴、給与など)と企業の属性(国籍の多様性など)の両方が厳しく審査されるようになりました。

  • 駐在員:給与水準が高く、派遣元である日本本社がしっかりしているケースが多いため、COMPASSのスコアも高くなりやすく、ビザは比較的通りやすい傾向にあります。
  • 現地採用:提示される給与額がCOMPASSの基準をクリアできるかが最大のポイント。特に若手の場合、学歴や職務経験でスコアを補う戦略が必要になります。

出典: Ministry of Manpower Singapore (MOM)

⑤実現へのルートと難易度:「狭き門の駐在」vs「門戸が広い現地採用」

結論:今すぐ行動を起こせるのは、圧倒的に現地採用です。

現地採用は、求人サイトや転職エージェントを通じて、いつでも自分のタイミングで挑戦できます。求人数も多く、門戸は広く開かれています。

一方で駐在のポストは、社内公募や上司からの抜擢で決まります。そもそも海外拠点を持つ企業に入社する必要があり、ポストに空きが出るか、自分が選ばれるかなど、運とタイミングに大きく左右される「狭き門」と言えるでしょう。

あなたはどっち?キャリアプラン別おすすめルート診断

これまでの比較を踏まえ、あなたがどちらのタイプに近いか診断してみましょう!

こんなあなたには「現地採用」がおすすめ!

  • ✅ 特定の専門スキルを武器に、海外で自分の実力を試したい
  • ✅ 将来的にシンガポール永住や、他国でのキャリアも考えている
  • ✅ 会社の看板に頼らず、自分の意思でキャリアを切り拓きたい
  • ✅ 年齢が20代〜30代前半で、フットワーク軽く挑戦したい

→ 具体例:ITエンジニア、デジタルマーケター、金融専門職、コンサルタントなど

こんなあなたには「駐在」がおすすめ!

  • ✅ 家族と一緒に移住するため、家賃や教育費のサポートは必須
  • ✅ 日本でのキャリアを途切れさせたくない。将来は日本本社で幹部を目指している
  • ✅ 海外拠点の立ち上げや、経営に近いマネジメント経験を積みたい
  • ✅ 安定した基盤の上で、海外での仕事に集中したい

→ 具体例:大手メーカーの営業・企画職、商社の管理職、金融機関の総合職など

ルートが決まったらやるべきこと【次へのアクションプラン】

進むべき方向性が見えたら、あとは行動あるのみです。具体的な次のステップをご紹介します。

「現地採用」の道を選ぶと決めたあなたへ

  1. キャリアの棚卸しと英文レジュメの作成:まずは自分の市場価値を客観的に把握し、アピールできる形にまとめましょう。
  2. シンガポールに強い転職エージェントに登録:非公開求人の紹介や、COMPASSを踏まえたアドバイスをもらうために必須です。
  3. LinkedInプロフィールの最適化:シンガポールではLinkedIn経由のスカウトも活発。プロフィールを充実させておきましょう。

「駐在」の道を選ぶと決めたあなたへ

  1. 現職の海外勤務制度を確認する:まずは社内イントラなどで、海外赴任に関する規定や社内公募制度があるか確認しましょう。
  2. 上司に海外勤務希望の意思を伝える:日頃からキャリア面談などで、海外で挑戦したいという熱意をアピールしておくことが重要です。
  3. 海外展開に積極的な企業へ転職する:現職での実現が難しい場合は、駐在員を多く派遣している日系大手企業への転職も視野に入れましょう。

まとめ:自分に合うルートを知ることが、シンガポール転職成功の第一歩

今回は、シンガポール転職における「現地採用」と「駐在」の違いについて、様々な角度から比較解説しました。

最後に、この記事のポイントを振り返りましょう。

  • 待遇面では福利厚生が手厚い「駐在」、キャリアの自由度では自分の意思で道を切り拓ける「現地採用」に、それぞれメリットがある。
  • ビザ(EP)はどちらにも必要だが、駐在員の方が比較的有利な傾向。現地採用はCOMPASSの基準を意識した戦略が不可欠。
  • 最も重要なのは、あなたの5年後、10年後のキャリアとライフプランにどちらが合っているかを見極めること。

進むべきルートが見えたら、もう迷うことはありません。自信を持って、シンガポール転職への準備を始めましょう!あなたの挑戦を、心から応援しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次