こんにちは!
シンガポール転職のリアルをお届けする「海外移住コンパス」のトラたびです。
シンガポールでのキャリアを考えたとき、多くの人が思い浮かべるのは「駐在員」か「現地採用」のどちらかではないでしょうか。
「駐在員はハードルが高いし、枠もない…」
「いきなり外資系の現地採用は、英語力やスキルの面で不安…」
「でも、大企業の歯車じゃなく、もっと裁量権を持って働きたい!」
もしあなたがこんな悩みを抱えているなら、朗報です。
実は、この2つ以外に「第3の道」が存在することをご存知ですか?
それは、「日系スタートアップの海外進出(シンガポール拠点)メンバーとしてジョインする」というキャリアパスです。
この記事では、元シンガポール人材紹介エージェントの私が、この「第3の道」の魅力とリアル、そしてどうすればそのチャンスを掴めるのかを、徹底的に解説します!
なぜ今「日系スタートアップ × シンガポール」が熱いのか?
「なぜ、わざわざ日系スタートアップ?」と思うかもしれません。
今、この選択肢が熱いのには、日本側とシンガポール側、双方に明確な理由があるんです。
- 日本側の理由(プッシュ要因): 国内市場の成熟やグローバル化の波を受け、資金調達や事業拡大のためにアジアのハブであるシンガポールを目指す日系スタートアップが急増しています。
- シンガポール側の理由(プル要因): シンガポール政府は、外国からの投資や高度人材を積極的に誘致しています。
特に注目すべきは、2023年9月から導入された新しい就労ビザ(EP)制度「COMPASS(コンパス)」です。
これは、学歴や給与だけでなく、多様性や「シンガポール経済への貢献度」も評価するポイント制のシステム。この中で、「C6:戦略的経済優先分野ボーナス」という項目があります。
簡単に言うと、「シンガポール政府が特に力を入れたい分野(例:AI、グリーン経済、金融テックなど)に貢献する企業や人材は、ビザ取得で優遇しますよ」というものです。
(出典: シンガポール人材開発省 (MOM) – COMPASS Framework)
日系スタートアップが進出する分野は、この「C6ボーナス」の対象となるハイテク分野や戦略分野であることが多いのです。つまり、企業の「進出したい」というニーズと、シンガポール政府の「来てほしい」というニーズが、今まさに合致している状態。だからこそ、ビザが取得しやすく、ユニークな求人が生まれやすいのです。
【メリット】日系スタートアップ海外進出に乗るキャリア的旨味
この「第3の道」は、伝統的な「駐在」や「現地採用」と比べて、どんな「旨味」があるのでしょうか?
1. 圧倒的な裁量権と「0→1」の経験
最大の魅力はこれです。
多くの場合、あなたはシンガポール拠点の「1人目」または「初期メンバー」となります。つまり、カントリーマネージャー(責任者)に近い立場で、事業、組織、企業文化をゼロから作るという、非常に稀有な経験を積むことができます。
2. 経営陣との近さとスピード感
日本本社のCEOや経営陣と直接やり取りし、スピーディーに意思決定しながら事業を進めることになります。大企業では味わえない「経営視点」が身につくのは、大きな財産です。
3. 将来のキャリアパスとインセンティブ
事業が成功すれば、そのままシンガポール法人のトップや、アジア統括の幹部候補になる道も。また、スタートアップならではのストックオプションなど、金銭的なリターンも期待できる(※要確認)場合があります。
4. 「日系」であることの安心感(ソフトランディング)
いきなり外資系企業に飛び込むのとは違い、企業文化やコミュニケーションの面で「日本(本社)」という共通基盤があります。英語力を活かしつつも、日本語でニュアンスを調整できる「ブリッジ役」として、あなたの価値を最大限に発揮しやすい環境です。

【デメリット】覚悟すべきリスクと現実
もちろん、良いことばかりではありません。元エージェントとして、厳しい現実もお伝えします。
1. 事業撤退のリスクと雇用の不安定さ
スタートアップの海外進出は、常に「撤退」のリスクと隣り合わせです。シンガポール拠点がうまくいかなければ、真っ先にクローズされる可能性も。その場合、あなたの雇用も不安定になる覚悟は必要です。
2. 制度未整備による「激務」と「カオス」
駐在員のような手厚い福利厚生(家賃補助、送迎車、高額な保険など)は、期待できません。給与も現地採用(ローカルパッケージ)が基本です。また、あなたは「何でも屋」になる必要があります。営業、マーケティング、採用、経理、総務…すべてをカバーするタフさが求められます。
3. 日本本社との「板挟み」
「現地の事情はこうなのに、本社が理解してくれない…」
これは、本当によくある悩みです。日本本社(の常識)と、シンガポール現地(の常識)との間で、調整役として疲弊してしまうケースもあります。
どんな人が「第3の道」に向いているか?
これらのメリット・デメリットを踏まえると、以下のような人がこのキャリアパスに向いていると言えます。
- ✅ 将来、海外で起業したい、または経営幹部になりたい人
- ✅ 「0→1」のプロセスやカオスな環境にワクワクする人
- ✅ 自分の専門性(例:営業)+α(例:マネジメント、採用)ができる人
- ✅ 英語力と日本語力の両方を活かし、ブリッジ役として価値を発揮したい人
- ✅ 安定よりも、裁量権と大きなリターン(経験・キャリア)を求める人
【最重要】シンガポール進出フェーズの「お宝求人」の探し方
「このキャリアに興味が出てきた!でも、どうやってそんな求人を探すの?」
ここが一番知りたいポイントですよね。
これらの「お宝求人」は、企業の戦略と直結するため、ほとんどが「非公開求人」として水面下で動きます。
探し方にはコツが必要です。
1. 【王道】転職エージェントの「非公開求人」を狙う
最も確実な方法です。特に、シンガポールに強い日系エージェントや、スタートアップ専門のエージェントは、こうした「水面下の立ち上げ案件」を握っている可能性が高いです。
2. 日系VC(ベンチャーキャピタル)の投資先を追う
これは上級テクニックです。
スタートアップはVCから資金調達して海外進出します。つまり、シンガポールに拠点を持つ日系VC(例:Global Brain, JAFCO Asia, Incubate Fund Asiaなど)の「投資先ポートフォリオ」をチェックするのです。彼らが最近どこに投資したかを見れば、次にシンガポールに進出しそうな企業が予測できます。
3. LinkedInでのダイレクト・ネットワーキング
すでにシンガポールに進出した日系スタートアップのCEOやカントリーマネージャーをLinkedInで探し、直接コンタクトを取る(またはフォローする)方法です。彼らが「採用」についてポストすることも多々あります。
4. Wantedly / YOUTRUST(日本採用→赴任ルート)
「海外展開」「シンガポール」といったキーワードで、日本のスタートアップ採用プラットフォームを検索するのも手です。「まずは日本本社で採用し、将来的にシンガポール拠点の立ち上げを任せる」という求人が見つかることがあります。
まとめ:ハイリスク・ハイリターンな「第3の道」に挑戦しよう
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- シンガポール転職には「駐在」「現地採用」に加え、「日系スタートアップ海外進出に乗る」という第3の道があります。
- 日本企業の海外進出ニーズと、シンガポール政府のビザ優遇策(COMPASS C6ボーナス)がマッチし、今がチャンスです。
- 「裁量権」「0→1の経験」といった大きなメリットがある一方、「雇用の不安定さ」「激務」といったリスクもあります。
- このハイリスク・ハイリターンなキャリアに挑戦したい方は、転職エージェントに具体的に希望を伝えることから始めてみましょう!
伝統的な駐在員の安定も、外資系の華やかさも、そこにはないかもしれません。しかし、自分の力で未来を切り開く「ダイナミズム」が、このキャリアパスには詰まっています。
あなたの挑戦を、トラたびは応援しています!


