こんにちは!元シンガポール人材紹介エージェントのトラたびです。
「シンガポールは税金が安いって聞くけど、実際どうなの?」
「給料から何が引かれるのか、手取りがいくらになるのか知りたい!」
シンガポールでの就職を考えたとき、お金の話、特に「税金」は避けて通れないテーマですよね。
多くの方から「手取りは増えますか?」という質問をいただきましたが、結論から言うと、シンガポールの税金の仕組みはシンプルで、日本より手取り額が増えるケースがほとんどです。
この記事では、シンガポールで働くなら絶対に知っておきたい「所得税」と年金制度「CPF」の基本を、誰にでも分かるように徹底解説します。この記事を読めば、ご自身の給料から税金がいくら引かれるのか、具体的な納税スケジュールまで、すべてクリアになりますよ!
【結論】シンガポールの税金はシンプル!主に「所得税」だけ考えればOK
シンガポールの税金と聞いて難しく考える必要はありません。会社員として働く私たちに関係する税金は、基本的に年に一度支払う「個人所得税(Personal Income Tax)」がメインです。
日本のように毎月の給与から天引きされる源泉徴収や、年末調整といった仕組みはありません。また、住民税や相続税、キャピタルゲイン税(金融商品の利益にかかる税金)もないため、非常にシンプルです。
そして、よく耳にする「CPF」という年金制度は、就労ビザ(EPやS Pass)で働く外国人は加入義務がありません。
この記事で、この2つのポイント「所得税」と「CPF」について、詳しく見ていきましょう。
【最重要】シンガポールの個人所得税(Personal Income Tax)の仕組み
所得税を理解する上で最も重要なのが、「居住者」か「非居住者」か、という区分です。どちらに分類されるかで、税率が大きく変わります。
あなたはどっち?「居住者」と「非居住者」で税率が変わる
シンガポールの税法では、以下の条件を満たすと「居住者」として扱われます。
- シンガポール国民
- シンガポールの永住権(PR)保持者
- 暦年(1月1日〜12月31日)で183日以上シンガポールに滞在した外国人
この「183日ルール」が非常に重要です。年の途中、例えば8月に入社した場合、その年の滞在日数は183日未満になるため、初年度は「非居住者」扱いとなります。

居住者の税率:0%〜24%の累進課税
居住者の場合、所得が上がるにつれて税率も上がる「累進課税」が適用されます。日本の所得税率(5%〜45%)と比較すると、かなり低い設定になっていることが分かります。
【2024課税年度の所得税率】
- 〜S$20,000:0%
- S$20,001 〜 S$30,000:2%
- S$30,001 〜 S$40,000:3.5%
- S$40,001 〜 S$80,000:7%
- S$80,001 〜 S$120,000:11.5%
- …以降、所得に応じて最大24%まで
出典: Inland Revenue Authority of Singapore (IRAS)
非居住者の税率:一律15%
非居住者の場合、シンガポール国内で得た雇用所得に対して一律15%、もしくは居住者税率で計算した金額のうち、いずれか高い方が適用されます。
【シミュレーション】所得税の計算方法を3ステップで解説!
では、実際に所得税がいくらになるのか、年収S$80,000(約880万円 ※S$1=110円換算)のAさんを例に計算してみましょう。
STEP1: 課税所得を計算する(総所得 – 所得控除)
まず、年収から経費や控除を差し引いて「課税所得」を計算します。会社員の場合、最も一般的な控除が「勤労所得控除(Earned Income Relief)」で、最大S$1,000が控除されます。
S$80,000(総所得) – S$1,000(勤労所得控除) = S$79,000(課税所得)
STEP2: 税率テーブルを適用する
次に、STEP1で計算した課税所得S$79,000を、先ほどの税率テーブルに当てはめます。
- 最初のS$40,000までの税額:S$550
- 次のS$39,000($79,000 – $40,000)に対する税率:7%
STEP3: 税額を計算する
最後に、各段階の税額を合計します。
(S$39,000 × 7%) + S$550 = S$2,730 + S$550 = S$3,280
年収S$80,000の場合、年間の所得税額はS$3,280(約36万円)となります。月額にすると約S$273です。日本の同程度の年収の場合と比較すると、負担がかなり軽いことが実感できるのではないでしょうか。
シンガポールの年金制度「CPF (Central Provident Fund)」とは?
CPFは、シンガポールの国民および永住権(PR)保持者を対象とした、年金・医療・住宅のための強制積立制度です。
給与の一部が天引きされて、3つの口座(Ordinary, Special, Medisave)に積み立てられます。
外国人(EP/S Pass)は加入義務なし!
結論として、就労ビザ(EPやS Pass)で働く外国人は、CPFに加入する義務はありません。そのため、給与からCPFが天引きされることはありません。
永住権(PR)を取得すると加入義務が発生
もし将来的にシンガポールの永住権(PR)を取得した場合、その時点からCPFへの加入が義務付けられます。従業員と雇用主の双方が、給与の一部をCPFとして拠出することになります。



いつ・どうやって払う?所得税の納税手続きとスケジュール
シンガポールの所得税は、前年の1月1日〜12月31日までの所得に対して、翌年に自分で申告・納税します。
- 【1月〜2月】会社から前年分の所得証明書「Form IR8A」を受け取る。
- 【3月1日〜4月18日】IRASのウェブサイト「myTax Portal」で電子申告(e-Filing)を行う。
- 【5月〜9月頃】IRASから納税通知書「Notice of Assessment (NOA)」が届く。内容に間違いがないか確認。
- 【NOA受領後1ヶ月以内】税金を納付する。銀行口座からの自動引き落とし(GIRO)が便利です。
申告はオンラインで完結し、非常にシンプルです。多くの企業では申告内容が自動入力されているため、内容を確認してクリックするだけで終わることも多いですよ。
【忘れずに!】日本を出国する前に必要な「海外転出届」
シンガポールで働く前に、日本の市区町村役場で「海外転出届」を提出することを忘れないでください。
これを提出することで、日本の非居住者となり、翌年以降の住民税の支払いが免除されます。
ただし、注意点として、住民税はその年の1月1日に住民票がある場所で課税されます。例えば2025年6月に日本を出国する場合、2025年度分の住民税は納める必要があります。


まとめ:シンガポールの税金制度を理解して、賢い海外就職を!
最後に、今回の内容をまとめます。
- シンガポールで働く会社員が気にする税金は、主に「個人所得税」だけ。
- 所得税率は日本より低く、居住者であれば0%〜24%の累進課税。
- 年金制度「CPF」は、就労ビザで働く外国人は加入義務なし。
- 納税は年に一度の確定申告(3月〜4月)で行い、源泉徴収はない。
- 渡航前には日本の「海外転出届」を忘れずに提出しよう。
税金の知識は、海外で働く上で、そして自分の資産を築いていく上で非常に重要です。シンガポールの税制メリットを最大限に活かして、充実した海外生活の第一歩を踏み出しましょう!


